tk3.biz
ブログ一覧に戻る

2025年は本当に暑い日がずっと続いた?気象庁のデータで過去と比べてみた

はじめに

「2025年の夏は、暑い日がずっと続いた」――そう覚えている人は多いのではないでしょうか。

身近な“思い込み”を公的なデータで確かめる「本当なの?」シリーズの2回目です(前回は2026年の台風を調べました)。

今回は、1年分のデータがそろっている2025年を主役にします。読み進める前に、予想してみてください。2025年は、本当に暑い日が「ずっと」続いたでしょうか?

「暑い日」は、気象庁の決まった呼び方で数えます。

呼び方基準
真夏日日最高気温が 30℃以上の日
猛暑日日最高気温が 35℃以上の日
熱帯夜日最低気温が 25℃以上の日(気象庁の統計と同じ数え方)

そのうえで、2つのことを分けて確かめます。

  • 暑い日が多かったか:1年(都市は5〜10月)の日数
  • 暑い日がずっと続いたか:基準を満たす日が途切れずに続いた最長の日数。1日でも基準を下回ったら(真夏日なら29.9℃の日があったら)、そこで切れます

使ったデータは気象庁の3つです。全国の傾向は、気象庁が真夏日などの長期の変化に使っている全国13地点の平均(網走・根室・寿都・山形・石巻・伏木・銚子・境・浜田・彦根・多度津・名瀬・石垣島)。季節ごとの暑さは日本の季節平均気温。都市(東京・名古屋・大阪・福岡)は、「過去の気象データ検索」の日ごとの気温から、1991〜2025年の各年の5月1日〜10月31日を数えました。「平年」はどれも 1991〜2020年の30年平均です。いずれも2026年10月27日に取得しました。

結果:暑い日の「数」は記録的だった

先に答えを出すと、2025年は真夏日も猛暑日も、1910年以降で一番多い年でした。

全国13地点平均の真夏日と猛暑日の年間日数(1910〜2025年)。2025年は真夏日70.5日、猛暑日10.2日で、どちらも116年で最も多い。平年は真夏日40.9日、猛暑日2.5日

全国13地点の平均(1地点あたりの年間日数)2025年平年順位
真夏日70.5日40.9日(1.7倍)1910年以降の116年で1位(2位は2024年の63.2日)
猛暑日10.2日2.5日(4.1倍)同じく1位(2位は2024年の8.5日)
熱帯夜43.0日23.3日(1.8倍)1929年以降の97年で2位(1位は2024年の45.5日)

猛暑日は平年の4倍です。上位3つは2025年・2024年・2023年で、ここ3年が続けて記録を塗り替えてきたことがグラフからもわかります。

13地点の日ごとの気温から自分でも数えてみたところ、70.5日・10.2日・43.0日で、気象庁の値と同じになりました。下の都市の数字も、同じ数え方で出しています。

季節で見ると、暑さは夏と秋に集中していた

日本の平均気温を季節ごとに見ると、2025年の暑さには偏りがありました。

季節平年との差1898年以降の順位
冬(2024年12月〜2025年2月)-0.07℃33位(ほぼ平年並み)
春(3〜5月)+0.80℃11位
夏(6〜8月)+2.36℃1位(2位は2023年・2024年の+1.76℃)
秋(9〜11月)+1.37℃3位

2025年の夏は、それまでの1位を 0.6℃も上回る、観測史上一番暑い夏でした。秋も3番目に暖かく、暑さが秋まで残った年だったことがわかります。

都市で見ても、暑い日の数はほぼ1位

東京・名古屋・大阪・福岡の5〜10月の日数を、1991〜2025年の35年で比べました。

都市真夏日猛暑日熱帯夜
東京88日(2位)29日(1位)55日(3位)
名古屋101日(1位)52日(1位)73日(1位)
大阪102日(1位)45日(1位)81日(1位)
福岡97日(1位)29日(3位)83日(1位)

平年は、東京が真夏日53.4日・猛暑日5.4日・熱帯夜30.4日。猛暑日は、東京で平年の5倍以上、名古屋で3倍以上でした。

12のうち9つが1位、残りもすべて3位以内です。「暑い日が多かった」は、どの都市でも記録的に本当でした。

でも「ずっと続いた」かは、都市で答えが分かれた

では、暑い日は「ずっと」続いたのでしょうか。真夏日が途切れずに続いた最長の日数を比べると、こうなりました。

2025年に真夏日が続いた最長の日数(5〜10月)。東京24日(平年19日)、名古屋31日(平年26.9日)、大阪67日(平年32.6日)、福岡37日(平年27日)。大阪だけが平年の2倍を超える

都市真夏日猛暑日熱帯夜
東京24日(9位タイ)10日(1位)13日(13位タイ)
名古屋31日(12位タイ)20日(2位)46日(1位)
大阪67日(2位)16日(2位)53日(1位)
福岡37日(12位タイ)8日(5位タイ)24日(12位タイ)

(いちばん長く続いた日数と、1991〜2025年の35年での順位)

  • 大阪は「ずっと続いた」が本当。7月18日から9月22日まで、67日間一度も最高気温が30℃を下回りませんでした。これより長いのは1994年の75日だけです。熱帯夜も7月20日から9月10日まで53日続き、35年で一番長い記録でした
  • 名古屋は、熱帯夜が7月21日から9月4日まで46日続き、35年で一番長い記録。夜の暑さが「ずっと」続いた年でした
  • 東京と福岡は、真夏日の数は2位と1位なのに、続いた長さは9〜12位あたり。東京の最長は24日で、2023年の64日の半分にもなりません

東京と福岡は、暑い日が途切れながら何度も来た年だったことになります。数が記録的でも、「ずっと続いた」かどうかは別の話でした。

もう一つの発見:暑い季節そのものが長かった

続いた長さとは別に、真夏日が最初に来た日と最後に来た日を見ると、4都市とも暑い季節が長かったことがわかります。

都市最初の真夏日最後の真夏日
東京5月20日9月29日
名古屋5月20日10月13日
大阪5月22日10月8日
福岡5月20日10月14日

5月の下旬から10月の中旬まで、およそ5か月にわたって真夏日がありました。「ずっと暑かった」という感覚は、一続きの暑さだけでなく、暑い日が来る期間の長さから来ているのかもしれません。ただ、感覚がどこから来たのかは、このデータからはわかりません。

まとめ

  • 「2025年は暑い日が多かった」は、記録的に本当。全国13地点の平均で、真夏日(70.5日)も猛暑日(10.2日)も1910年以降で1位。夏の平均気温も観測史上1位だった
  • 「ずっと続いた」は、都市によって違う。大阪は真夏日が67日、熱帯夜が53日続いたが、東京の真夏日の最長は24日で、35年の中では9位タイだった
  • 東京や福岡は、暑い日が途切れながら何度も来た年。4都市とも、真夏日は5月下旬から10月中旬まであった
  • 連続の日数は1日でも基準を下回ると切れる数え方で、基準を変えると結果も変わりうる。都市の比較は4都市・1991年以降だけで、それより前の年や、ほかの地点は見ていない

次回も、身近な「本当なの?」をデータで確かめます。この連載の記事は、「本当なの?」の一覧でまとめて読めます。

おまけ:2026年はどうだった?

2026年(10月26日まで)の数字も、同じやり方で数えてみました。

  • 全国13地点の平均:真夏日48.3日・猛暑日5.9日・熱帯夜33.4日。平年よりは多いものの、2025年のおよそ7割・6割・8割でした
  • 季節:冬(2025年12月〜2026年2月)+0.90℃(5位)、春 +1.54℃(2位)、夏+1.02℃(5位)。2025年とは逆に、夏のピークはそれほどでもなく、冬から夏までずっと暖かい年でした
  • 福岡:真夏日が7月7日から9月3日まで 59日、猛暑日が7月18日から8月8日まで 22日 続きました。どちらも1991年以降で一番長い記録です。2026年の福岡は「ずっと続いた」が本当でした
  • 東京:熱帯夜は16日で、平年(30.4日)の半分ほどでした

出典

いずれも2026年10月27日に取得。都市の日数・連続の日数・順位・平年は、日ごとの気温から計算しました。2026年の値には速報値を含みます。

関連記事