はじめに
dev-orchestra は、1 文の依頼から設計・実装・テスト・複数の AI によるレビュー・修正までを回す、Claude Code / Codex / Antigravity のプラグインです。
この記事では、v1.3.1(2026-10-29)の変更をまとめます。v1.3.0 の変更は前回のリリース記事に書いています。
dev-orchestra は GitHub で公開しています(MIT ライセンス)。役に立ちそうと思ったら、スターを付けてもらえるとうれしいです。
主な変更
テストと並行してレビューを始める
これまでのコードレビューは、実装(またはレビューの指摘の修正)→ テスト → レビュー、の順に進んでいました。テストが長いリポジトリでは、そのあいだレビュアーは待っているだけです。
1.3.1 では、設定の review.start_before_tests を有効にすると、実装や修正のすぐあと、テストと同時にレビューが走るようになりました。既定は無効です。
dev-orchestra config set review.start_before_tests true --scope global
テストを待たずにレビューしても、落ちるコードの指摘を直すことにはなりません。レビューの結果を使えるのは、レビューしたのと同じ作業ツリーでテストが通ったときだけです。それまでは、指摘の採用(review triage --status accepted)と修正の指示づくり(review fix-brief)が終了コード 2 で断られます。どこまで進んだかは、review status の tests on the reviewed tree: の行に出ます。
tests on the reviewed tree: pending -- no test result recorded on the reviewed tree yet
next: record the tests on this tree (state record test ok|failed), then review status again
テストが書き出すファイル(テストの結果のファイルやカバレッジなど)が .gitignore で無視されていないと、「別のツリー」とみなされてレビューの結果が使えなくなります。有効にする前に、テストが書き出すファイルを無視させておいてください。
実際に作業用のリポジトリで有効・無効を比べた手順と出力は、dev-orchestra 連載の「テストが終わるのを待たずにレビューを始めてみた」(2026 年 11 月 19 日公開予定)にまとめます。
対応が必要な変更:計画の承認の既定が auto になった
dev-orchestra は、アーキテクトが書いた計画を利用者に見せて、「はい」をもらってから実装に入ります(design.require_approval)。1.3.1 では、この設定に auto が増え、既定が auto になりました。
auto は、次の 3 つがすべてそろったときだけ、承認を省きます。
- 誰も見ていない:環境変数
DEV_ORCHESTRA_UNATTENDEDが設定されている。設定されていなければCIを同じように読む(DEV_ORCHESTRA_UNATTENDED=0にすると、CIがあっても聞く) - 計画が危なくない:計画が、危ないとされるパス(
optimization.high_risk_pathsなど)に触れていない。設計のレビューを--high-riskで回していない - 設計のレビューで Low より上が残っていない:小さな計画なので設計のレビューが省かれたか、最後の設計のレビューがこの計画を見て Low より上を残さなかった
どれか 1 つでも欠けると、true のときと同じように聞きます。そのため、ふだんの対話での使い方では、前と同じく承認を求められます。変わるのは、CI や DEV_ORCHESTRA_UNATTENDED を付けて動かすときです。
作業用のリポジトリで、2 つのファイルだけを触る小さな計画を置いて、status の Plan approval: の行を見比べました。環境変数が無いときは、これまでどおり承認を待ちます。
Plan approval: pending -- present .ai/workflows/ap1/plan.md to the user and ask; a yes is recorded with `design approve`, never without one
DEV_ORCHESTRA_UNATTENDED=1 を付けると、承認は要らないと判断されました。
Plan approval: not required (design.require_approval: auto -- nobody watching; the design review was skipped (2 code files, none high-risk))
CI でも、これまでのように必ず承認を求めたいときは、true にします。
dev-orchestra config set design.require_approval true --scope global
true にすると、DEV_ORCHESTRA_UNATTENDED=1 を付けても pending のままでした。design.require_approval はグローバルの設定からだけ読まれ、プロジェクトの設定(.dev-orchestra.yaml)に書いても使われません。
Claude の書き込みの実行に、使うツールだけを渡す
Claude Code で動く書き込みの実行(implementer、review fixer、run --mode implement)は、使うツールだけを渡し、MCP サーバーを外して始まるようになりました。run implementer --print-command で、渡すコマンドを確かめられます(Windows では PowerShell が足されます)。
claude -p --output-format stream-json --verbose --include-partial-messages --model opus --permission-mode acceptEdits --tools Read,Edit,Write,Bash,Grep,Glob,PowerShell --strict-mcp-config
これまでは、すべての組み込みツールと、利用者が入れている MCP サーバーの定義を毎ターン送っていました。CHANGELOG によると、claude 2.1.312 で測ったところ、実行の始まりのコンテキストは、今の形の約 1.2 万トークンに対して前の形では約 4.7 万トークンありました。費用は、資料(providers.md)によると、同じ作業で絞ると 26% 安くなりました($1.72 から $1.28 に)。作業用のリポジトリで比べた手順と出力は、dev-orchestra 連載の「書き込みの実行に渡すツールを絞って、トークンを比べてみた」(2026 年 11 月 23 日公開予定)にまとめます。
実装役に MCP サーバーを使わせたいときは、その役の options.tools を all にすると前の動きに戻ります。名前を並べて、渡すツールを決めることもできます(この場合も MCP サーバーは外れます)。
dev-orchestra config set implementer.options.tools all --scope global
all にすると、--tools と --strict-mcp-config が付かなくなりました。options.tools は、permission_mode と同じくグローバルの設定からだけ読まれます。プロジェクトの設定に書くと、その役の書き込みの実行が断られます。
細かな変更と不具合の修正
- 新しい環境変数
DEV_ORCHESTRA_UNATTENDED:誰も見ていない実行であることを dev-orchestra に伝える。0・false・no・offは「見ている」扱い statusのPlan approval:の行に、承認を求める・求めない理由が出るようになった。--jsonのdesign_approvalにmode・reason・requirement・nobody_watching・unattended_questionsを足したautoで誰も見ていないときは、設計の未決の質問をfalseのときと同じくアーキテクトに任せ、そのあと承認を求めるときには、その質問を挙げる- プロジェクトの設定の
design.require_approvalは、これまでどおり使われない。グローバルのtrueの上にautoを書くなど、承認をゆるめる値なら、doctorが問題として報告する --toolsと--strict-mcp-configを--helpに出さない古い Claude Code では、書き込みの実行は前と同じ形で走るreview.start_before_testsを有効にしたとき、state record testとre-testが、テストを走らせたツリーを記録するようになった。review status --jsonにround_tests、status --jsonのreviewにround_testsを足した
安定化のための対応
新しい機能のテストを足し、テストと並行したレビューの判定の抜けを直すなど、動作を安定させるための対応を行いました。
更新方法
更新のしかたは、使っている CLI ごとに違います。アップデートの方法の手順で、新しい版のタグ(v1.3.1)を指定して更新してください。更新したら、dev-orchestra doctor を一度実行しておくと安心です。
まとめ
- テストと並行してレビューを始める(
review.start_before_tests、既定は無効):レビューの結果は、同じツリーでテストが通ってから使える - 計画の承認の既定が
autoに:対話の実行では前と同じく聞く。CI やDEV_ORCHESTRA_UNATTENDEDの実行では、条件がそろえば承認を省く。必ず聞くならdesign.require_approval: true - Claude の書き込みの実行は、使うツールだけで MCP サーバーなしに始まる:前の動きに戻すなら
options.tools: all
GitHub: istb16/dev-orchestra(スターを付けてもらえると励みになります)
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