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2026年は本当に雨が多い?気象庁のデータで過去と比べてみた

はじめに

「2026年は、雨が多い年だった」――6月や9月の大雨や、9月の終わりに話題になった「東京で37日連続の雨」を思い出して、そう感じている人もいるのではないでしょうか。

身近な“思い込み”を公的なデータで確かめる「本当なの?」シリーズの3回目です(前回は2025年の暑さを調べました)。

今回は、まだ途中の2026年を調べます。読み進める前に、予想してみてください。2026年は、本当に全国的に雨が多いでしょうか?

「雨が多い」には、いくつかの意味があります。今回は次の4つに分けて確かめます。

指標基準
総雨量1月1日〜10月27日の日降水量の合計
雨の日日降水量が 1.0mm以上の日(気象庁の統計でよく使う区切り)
まとまった雨の日日降水量が 30mm以上の日と、50mm以上の日
平年比平年(1991〜2020年の30年平均)を100%としたときの割合
はっきり多い総雨量が、1991年以降の36年で多い方から10位以内

年の途中の値を、過去の1年分と比べると、2026年が少なく見えてしまいます。そこで、どの年も1月1日〜10月27日という同じ期間で数えて比べました。

使ったデータは気象庁の2つです。都市は「過去の気象データ検索」の日ごとの降水量から、11の気象台(札幌・仙台・新潟・東京・名古屋・大阪・広島・高知・福岡・鹿児島・那覇)の1991〜2026年の各年1月1日〜10月27日を集計しました。地域は「過去の地域平均気象データ検索」の地域平均の降水量平年比(1946年〜)で、2026年は終わった月(1〜9月)だけを使いました。どちらも2026年10月28日に取得し、2026年の値には速報値を含みます。

結果:平年よりはっきり多かったのは、11都市のうち2つだけ

先に答えを出すと、「2026年は全国的に雨が多い」は、このデータからは言えませんでした。

2026年1月1日〜10月27日の降水量の合計の平年比(11都市)。東京144%、名古屋117%、大阪109%、仙台107%、那覇105%、広島104%、高知104%、新潟102%、札幌100%、福岡100%、鹿児島81%

  • 東京は36年で一番多い。2060.5mmで平年(1428.5mm)の144%。1991年以降の36年で1位です(2位は1991年の1891.5mm、3位は2021年の1841mm)
  • 名古屋も1668mmで平年の117%。36年中6位タイでした
  • ほかの8都市は、平年の100〜109%。平年並みか、少し多いくらいです。10位以内には入らず、次に多い仙台でも12位でした
  • 鹿児島は少ない。1794.5mmで平年の81%、36年中30位でした

東京の雨は6月と9月に集中していた

東京の2026年を月ごとに見ると、雨の多さには大きな偏りがありました。

月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月(27日まで)
降水量(mm)7.558122.5162115.5436.5132.5286696.543.5

6月と9月の2か月だけで1133mm、1〜10月の合計の**55%**です。まとまった雨の日も多く、30mm以上の日は21日(平年13.0日、2位タイ。1位は2024年の23日)、50mm以上の日は9日(平年5.7日、2位タイ。1位は2021年の11日)でした。

東京の1月1日〜10月27日の降水量の合計と、50mm以上の雨が降った日数(1991〜2026年)。2026年の合計は2060.5mmで36年で最も多い。50mm以上の日は9日で、平年は5.7日

予想と違った点:雨の日は、むしろ少なかった

「雨が多い」と感じるとき、思い浮かべるのは雨の日の多さかもしれません。ところが、雨の日(1.0mm以上)を数えると、11都市のうち8都市で平年より少なくなりました。

都市雨の日(2026年)平年総雨量の平年比50mm以上の日(平年)
札幌98日111.2日100%1日(1.5日)
仙台88日87.2日107%7日(4.6日)
新潟119日130.5日102%3日(3.0日)
東京99日89.0日144%9日(5.7日)
名古屋84日89.8日117%7日(4.7日)
大阪78日85.3日109%4日(3.5日)
広島76日81.6日104%7日(6.2日)
高知94日98.9日104%14日(13.3日)
福岡77日94.7日100%10日(6.5日)
鹿児島99日103.4日81%8日(12.1日)
那覇120日105.3日105%10日(9.3日)

(どの年も1月1日〜10月27日。平年は1991〜2020年の同じ期間の平均)

  • 福岡は、雨の日が77日で平年の81%。36年で3番目に少ないのに、総雨量は平年並み(100%)。50mm以上の日は10日で、36年中2位タイでした。少ない日数に、まとめて降った年です
  • 名古屋も、雨の日は平年より少ない(94%)のに、総雨量は117%。1日の最大は219.5mmで、36年中2位でした
  • 札幌は雨の日が98日で、36年で5番目に少ない年でした
  • 雨の日が平年より多かったのは、**東京(111%)・那覇(114%)・仙台(101%)**の3都市だけです

雨が多いと感じるなら、雨の日も多いはず、と思いがちですが、多くの都市では逆でした。「雨の日は少なめで、総雨量は平年並み」が、2026年のよくある形です。

「東京で37日連続の雨」は本当?

9月の終わりには、「東京都心で、雨の降った日が統計史上最長の日数続いた」というニュースもありました。雨の日が少なめの都市が多い中で、これは本当なのでしょうか。

気象庁の日ごとの降水量で数えると、東京では8月27日から10月2日まで37日間、毎日降水が記録されていました。下の注の数え方で、比べられる1885年以降で一番長い記録です。これまでの最長は2019年の33日(6月27日〜7月29日)、その次が1954年の32日でした。

東京で降水が続いた日数の各年の最長(1885〜2026年)。0.0mmを含めて数えると2026年は37日で最も長い。平年は15.7日。1mm以上の雨の日で数えると2026年は9日で、平年は5.8日

ただ、37日の中身を見ると、印象が少し変わります。

37日間(8月27日〜10月2日)の内訳日数
1mm以上の雨が降った日22日
0.5mmの日3日
0.0mm(0.5mmに満たない、ごくわずかな降水)の日12日

37日のうちおよそ3日に1日は、1日の合計が0.5mmに満たない日でした。37日間に降った雨は、合計705mmでした。

この記事の「雨の日」(1mm以上)で数えると、2026年に一番長く続いたのは9月4日〜12日の9日です。1876年以降で、1mm以上の雨がこれより長く続いたことは11回ありました(最長は1909年と1974年の12日)。

「37日連続の雨」は本当でしたが、それはほんの少しでも降った日を数えたときの話。しっかり降る日がずっと続いたわけではありませんでした。

ちなみに那覇でも、8月17日から9月22日まで37日続きました。ただ那覇では、2024年の38日(9月3日〜10月10日)に次ぐ長さでした。

気象庁の日ごとのデータでは、降水が無かった日は「—」、0.5mmに満たない降水があった日は「0.0」と書かれます。ニュースの「37日連続」は、この「0.0」の日も降水として数えた日数で、日ごとのデータで数えるとちょうど37日になります。東京で「0.0」の日は、1884年までは年に0〜9日しか記録されておらず、1885年は28日でした。それより前の年は、わずかな降水が数えられていないため、長さを比べる範囲は1885年以降にしました(1876年まで広げても、37日が一番長いことは変わりません)。那覇の比較は、ほかの都市と同じ1991〜2026年の1月1日〜10月27日です。

地域で見ると、多い月と少ない月がほぼ半々

気象庁は、全国を北日本・東日本・西日本の日本海側と太平洋側、沖縄・奄美の7つの地域に分け、月ごとの降水量を「平年並」を真ん中にした5段階の階級で発表しています。2026年1〜9月を並べると、こうなります。

2026年1〜9月の地域ごとの月の降水量の平年比と階級。7地域×9か月の63のうち、多い・かなり多いは20、少ない・かなり少ないは24、平年並は19

7地域×9か月の63のうち、「多い・かなり多い」は20、「少ない・かなり少ない」は24、「平年並」は19。地域で見ても、2026年は雨が多い月と少ない月がほぼ半々で、少ない方がわずかに多いくらいでした。

その中で、6月と9月にはっきり多かったのが東日本太平洋側(関東甲信・東海など)です。ただし、この地域も1月は平年の12%で「かなり少ない」でした。

東日本太平洋側平年比1946年以降の81年での順位(多い方から)
6月208%4位
9月236%1位(それまでの記録は1982年の182%)
夏(6〜8月)133%13位
7〜9月150%2位

東京の6月・9月の大雨は、この地域の傾向と重なります。気象庁は9月について、秋雨前線の活動が非常に活発になったためと説明しています。夏については、台風第6号・第15号や「令和8年8月千葉豪雨」で記録的な大雨があったと、天候のまとめに書かれています。

地域の平年比は、地域の中の気象台ごとの平年比を平均した値です。地域の降水量の合計ではないため、1〜9月をまとめた平年比は月の値から計算できず、気象庁も公表していません。年の途中までの合計は、上の都市の日ごとのデータで比べています。

もう一つの発見:1月は、西日本などで記録的に雨が少なかった

「雨が多い年」の印象とは逆に、2026年の1月は、西日本を中心に1946年以降で一番雨が少ない1月でした。

地域2026年1月の平年比
西日本24%
西日本日本海側41%
西日本太平洋側9%
東海地方9%
近畿地方25%
近畿太平洋側1%
四国地方5%
九州北部地方17%
九州南部16%

(いずれも1946年以降の1月で、少ない方から1位)

近畿太平洋側は、平年の約100分の1しか降らなかったことになります。東京も1月は7.5mmでした。

4月と6月は多かったものの、西日本は7〜9月にまた少なくなりました。この3か月は平年の**72%**で「かなり少ない」(81年中、少ない方から9位タイ)。9月だけは122%と多かったものの、気象庁は10月1日の報道発表で、西日本は7月から9月までの降水量が少なく、これまでの少雨の状態を解消する可能性は小さいと見込んでいました。7月には九州南部、8月には九州北部地方で、その月として最も少ない記録も出ています。

季節ごとの気象庁のまとめでも、2026年は「全国的に雨が多い」形ではありません。冬(2025年12月〜2026年2月)は北日本日本海側がかなり多く、東日本日本海側が多い一方、東日本太平洋側・西日本・沖縄・奄美は少なく、春(3〜5月)はどの地域も平年並でした。夏(6〜8月)は東日本太平洋側がかなり多く、沖縄・奄美が多い一方、東日本日本海側と西日本日本海側は少なめでした。

まとめ

  • 「2026年は全国的に雨が多い」は、このデータからは言えない。1月1日〜10月27日の総雨量が平年よりはっきり多かったのは、11都市のうち東京(144%、1991年以降で1位)と名古屋(117%)だけで、ほかは100〜109%。鹿児島は81%と少なかった
  • 地域の月ごとの階級でも、2026年1〜9月の63のうち、多いは20、少ないは24で、ほぼ半々だった
  • 6月と9月にはっきり多かったのは東日本太平洋側(1月は12%とかなり少なかった)。9月は平年比236%で、1946年以降の9月で1位だった。東京の雨も6月と9月に集中していた
  • 雨の日(1.0mm以上)は、11都市のうち8都市で平年より少なかった。福岡は雨の日が36年で3番目に少ないのに、50mm以上の日は2位タイ。「雨の日は少なめで、総雨量は平年並み」の都市が多かった
  • 「東京で37日連続の雨」は本当。0.0mm(0.5mm未満)の日も数えると、1885年以降で一番長い。ただし37日のうち12日は0.0mmで、1mm以上の雨が続いたのは最長9日だった
  • 1月は西日本などで記録的に雨が少なく、西日本は7〜9月も少なかった
  • 都市の比較は11の気象台・1991年以降だけで、それより前の年や、ほかの地点は見ていない(東京の連続日数だけは1876年から)。連続日数は、0.0mmの日を数えるかどうかで大きく変わる。地域の値は2026年9月まで。2026年は速報値で、後で変わることがある。雨が多かった理由は、気象庁が説明している9月と夏のほかは、このデータからはわからない

次回(2026年10月31日公開予定)は、暑くなって紅葉や果物の産地が本当に変わったのかを確かめます。

おまけ:1日に一番多く降ったのは?

2026年(1月1日〜10月27日)に、11都市の中で1日の降水量が一番多かったのは高知の230.5mmでした。続いて名古屋219.5mm、東京182mm、那覇150mm、仙台145mm。名古屋の219.5mmは、平年(1991〜2020年の同じ期間の最大の平均)115.6mmの約1.9倍です。

出典

いずれも2026年10月28日に取得。都市の総雨量・日数・順位・平年は、日ごとの降水量から計算しました。2026年の値には速報値を含みます。

この連載の記事は、「本当なの?」の一覧でまとめて読めます。

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